自然手技療法のテクニックの一つに「肩甲骨可動性回復テクニック」というものがあるのですが、このテクニックはなかなか使い道が豊富に出来ており、下部頸椎の平衡性を取るのに用いたり、なかなかやっかいな上部肋横突関節の矯正テクニックとしても使えるし、斜角筋や胸郭出口症候群などにもとても優れた効果を生み出す事の出来るいいテクニックです。
生徒達には授業で教える事はあっても、自分では日々の臨床でしばらく使用していなかったこのテクニック。ですがここ一月、肩関節のホールディングテクニックと合わせたり、骨盤に反射を起こすように用いたりしながら毎日、毎回使っています。
これには訳がありまして、このテクニックは言わば「寒の入り」以降の今時分の季節のテクニックの一つなのです。
洗濯物がパリパリに乾くこの季節、私達の体も同じく乾いて来ます。この乾きに一番影響を受けてしまうのが粘膜系、とりわけ露湿度の高い「目」の披辟度は著しく高く、ただ生活しているだけで目の疲労指数は相当なモノとなって、知らない間に体に負担が強いられてしまいます。
この「目」からの影響がダイレクトに肩甲骨周辺機構、また頭頚関節部へと表現されます。よってこの時期の「季節の腰痛」などは肩甲骨と頚をせめて見ると意外な程あっけなく痛みの消去が可能なケースに遭遇するのはこの為です。
季節に四季があるように、体にも四季があり、人の間にも四季があります。
体に合い対峙してはや20年、気が付いたら自然とその季節に応じた違和感を読み取り、適切な処置を施している。
エライぞ!と我が身を褒め讃える。
一つ物事にかけた年数というのもなかなか良いものですね。